第45回学校給食用物資の展示試食会


2019年11月7日(木)
会場:くにびきメッセ




今年も松江市のくにびきメッセを会場に、「学校給食用物資展示試食会」を開催いたしました。
この展示試食会は、学校給食関係者の皆さまに対し、アレルギー対応食品や話題性のある商品の展示・試食を通じて魅力的でより豊かなしまねの学校給食の普及・充実を推進することを目的としたものです。


今年は、「令和元年 世界につながれ島根の学校給食」という
                 テーマを設定しました!



2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、学校給食現場においても世界の料理についての関心が高まっており、各国への理解を深める教材として世界中の家庭料理・伝統料理を献立に取り入れる取り組みがなされています。
また、身近には「最近の子どもたちは、見たこともないものは食さない。」という傾向があり、子どもたちの未来を後押しするのは心身の健康が基本となることから、食材を提供する本会としては、様々な食材との出会いや経験を重ね活躍してほしいという願いを込めています。

内容について

講演会 「日本の食文化発信について」

講師:農林水産省中国史国農政局経営・事業支援部地域食品課
         西原 課長補佐








講演では、日本人の伝統的な食文化=「和食」について、様々な地域で受け継がれている多様な食文化の紹介や健康的な生活や長寿に寄与しているというお話がありました。また、食材を無駄にしない技術で食材を使い切るなど、和食は持続可能性の高い食文化であることのお話がありました。
さらに、国が取り組んでいる日本食・食文化による訪日外国人の誘客=SAVORJAPAN(セイバージャパン)という事業について、動画コンテンツによる紹介がありました。
最後に、和食文化の普及のために国が取り組んでいる「全国子ども和食王選手権」や「ご当地!絶品うまいもん甲子園」に島根県からも参加してほしいというお話もありました。

学校給食用物資の展示及び試食

・一般食材出展コーナー
 出展企業41社、市町村学校給食関係者約60名に参加いただきました。
 新規取扱商品として提案された品目46品目と既に取り扱っているものの中から人気のものや、すでに取扱いの商品でメーカーが力を入れて押したいもの151品目が出展され、減塩や不足しがちな鉄・カルシウム・食物繊維の強化物資、またアレルギーを配慮した商品などが多く紹介されました。
 減塩や強化物資はこれまでも提案されてきたものですが、特に控えたり添加することによって不味くならないように隠し味に味噌を使ったり、だしを入れたり研究を重ねられ美味しくなっていました。

・世界の料理パネル展示
 本会では、取扱物資についてまとめた「学校給食用物資要覧」という冊子を毎年作成しています。この冊子には、取扱物資の価格ばかりではなく、栄養成分・配合割合・産地表示・アレルギー関係・使い方等に関する情報を掲載しています。
 その中の物資を使って、世界の料理を作成し、写真にして展示しました。

・島根県学校給食コーナー
 地場産物を使って独自で開発したプライベートブランド商品(しまねブランド開発製品)10品を含めた県産品31品を展示しました。

2019年度学校給食用物資展示試食会

~第45回目の学校給食物資展示試食会に寄せて~
わたくし、この度の展示試食会で初めて学校給食会の展示コーナー担当になりました。
いつも留守番だったので、ちょっと頑張りました。
全体のテーマは、「令和元年 世界につながれ島根の学校給食」だったので、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを念頭に「食べることは交流の第一歩」ということで、本会が取り扱っている学校給食用の食材を使って世界の料理をパネル展示することにしました。
生野菜とか、香辛料とか食材料費が膨大で、職員にカンパを募る事態となり、想像力に欠ける計画を恥じたわけですが、年齢を重ね誰も何にも言えないのをいいことに最後までやらせていただいちゃいました。
それぞれの料理を忠実に再現することは難しかったのですが、作りながら何とはなしにその国の歴史や気候、地形、人々の暮らしを感じることが出来ました。何よりも、各国の「おかあちゃん」を感じる料理ばかりが商品展示ブースをぐるりと取り囲むのですから、会場全体に深い愛を注げたのではないかと満足しています。








そして、もう一つは島根県産品を使った学校給食用の食材を紹介するコーナーです。
料理にお金を使いすぎたこともあり、何かコーナーを彩る物はないかと倉庫を探すと昔使っていた会議用の白布が眠っていたので、島根県地図を刺しゅうして、その周囲に県産品を並べて展示しようと考えました。
夜なべして、チェーンステッチを少しづつ進めながら、朝イノシシがぐちゃぐちゃにした田畑を横目に出勤していました。市町村名をステッチしながら、身近な県産品と言っても、天候や害獣と戦った末に消費者に届けるまでには、何百人何千人の人達が命がけで心血を注いだ結果なのだということに心が震え、イノシシ・鹿・熊・ヌートリア・アナグマ・隠岐のハリセンボンやエチゼンクラゲの大量発生・嵐を島根県地図にアップリケすることにしました。
世界の料理同様、私の震える思いを忠実に表現できるような技術はなく、ジビエの紹介かとの指摘もありましたが、子どもたちにもぜひ県産品の見えない力を栄養にして、頑張ってほしいという願いを強くしました。

                       ~島根県学校給食会 ヒガシ ナガエ~